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今月のテーマは、「さば」です。
一時はどのスーパーでも品切れとなったさば缶。テレビや雑誌で話題の食材として取り上げられたのもつかの間、今や定番となりました。そんなさばは、私たちにとってどんな嬉しい効果があるのでしょうか。管理栄養士が解説していきます。
さばの種類と鮮度
さばという名前の由来は、さばの体全体に似合わず歯が非常に小さいことから小歯(さば)と名付けられ、また背が青いことから「鯖」という字が当てられたとされています。
そんなさばは、魚の中でも鮮度の低下が早い魚で、「さばの生き腐れ」という言葉もあるほど。さばは水から揚げると、体内の酵素が活発に働き、内臓の自己消化・腐敗が急速に進みます。冷蔵庫などの保存環境がきちんと整備されていなかった時代、外見には問題がなくとも、実は食中毒菌が存在し食当たりになった…ということもあったようです。
さばに限らないことはありますが、生魚を購入した際は、常温に放置せず速やかに冷蔵庫で保管する、鮮度が低下したおそれのある魚は食べないなど、自宅での取り扱いには注意していきたいですね。
また、私たちがさばと一般的に呼んでいるものは、まさばと呼ばれる品種のものです。よく見かけるものにごまさばというものもありますが、こちらはやや小さめのさばで、まさばよりも脂が少ないものとなります。ですが、まさばに比べ年間を通して味が安定しているため、地域によっては多くみられます。特にまさばの味が落ちるといわれる、夏に重宝される品種です。
さばの栄養
季節による味の変化や鮮度など、いろいろ注意することが多いさばですが、しめさばに寿司、味噌煮と、日本では広く親しまれている魚ですよね。やはりその魅力は、あのさばにしか出せない脂の旨味ではないでしょうか。
さばの脂には、n-3系脂肪酸であるDHAやEPAが豊富です。同じく日本人にとって親しみ深い鮭と比べると、その量はなんと2.3倍(100gあたり)。いかに多く含まれているかわかりますね。そしてこのn-3系脂肪酸は、生活習慣病の予防に役立つ様々な働きを持っています。血中の中性脂肪を下げたり、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らしたり、動脈硬化を防いだりする効果があるとされています。夏が健康診断の方は、今から少し意識をして、多く取り入れてみてもよいかもしれませんね。
また最近では、DHAは脳の構成成分であることから、さばを食べることは記憶力や判断力の向上につながり、認知症予防にも有効であるという報告も出てきています。まさに、これまでもこれからも、積極的に取り入れていきたい魚ですね。
さばのおすすめの食べ方
さばの嬉しい栄養であるn-3系脂肪酸は、水や油に溶けやすいため、調理によって減ってしまうことがあります。さば缶であれば汁ごと調理したり、ムニエルやパン粉焼きなど脂を逃さない調理法のものを選ぶことがおすすめです。さばの味噌煮であれば、味噌の煮汁も一緒に食べることが多いと思いますので、余すことなく取り入れることが出来ますよ。
料理のバリエーションも広く、昼も夜も美味しく食べられるさば。「おべんとね!っと」のお弁当で取り入れてみませんか?
消費者庁 ヒスタミン食中毒(アクセス:2020年2月20日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/topics/topics_003/
財団法人 海洋生物環境研究所 魚のことわざ<その20>さば
http://www.kaiseiken.or.jp/umimame/lib/umimame_21.pdf
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